前回の記事では、
「真面目さんこそ、報われるべきだ」という私自身の価値観や、
なぜ「納得解」を軸にしているのかについて書きました。
もし、そこに共感してくださった方がいれば、
次に気になるのはおそらく、こんな点だと思います。
- 実際には、どこまで関わってくれるのか
- 何をしてくれて、何をしてくれないのか
- 安心して相談できる相手なのか
この記事では、
そうした疑問に対して、
私なりの仕事の線引きをはっきりさせておきたいと思います。
売り込みをするための記事ではありません。
「関わるかどうかを判断するための材料」として、
読んでもらえたらそれで十分です。
正論だけでは、人は動けないと感じた理由
正しいことは分かっているのに、動けない現実
これまで、金融機関や公的な支援、
コンサルティングの現場に近いところで、
多くの人の相談を見てきました。
そこで語られる内容は、
基本的にどれも「正論」です。
・こうすべき
・本来はこうあるべき
・一般的にはこの選択が合理的
どれも間違ってはいません。
理屈としては、正しい。
でも実際には、
それができないから困っている人がほとんどでした。
正論を聞いて納得した「つもり」にはなる。
でも行動は変わらない。
結果として、また同じところで立ち止まる。
私はその繰り返しを、何度も見てきました。
必要なのは「正解」ではなく「納得」
行動できない理由は、
能力が足りないからでも、
やる気がないからでもありません。
多くの場合、
「頭では分かっているけれど、腹落ちしていない」
ただそれだけです。
納得できていない状態で選んだ行動は、
どこかでブレます。
迷いが残り、続かなくなります。
だから私は、
正解や最短ルートを示すことよりも、
納得して選べる状態をつくることを重視しています。
人は、
自分で納得して選んだことなら、
時間がかかっても前に進めるからです。
私が大切にしている前提
自分の人生は、自分で決められる
私が仕事をするうえで、
一番大切にしている前提があります。
それは、
自分の人生は、自分で決められるということです。
これは精神論ではありません。
理想論でもありません。
どんな選択をしたとしても、
その結果を生きるのは本人です。
うまくいっても、うまくいかなくても、
最終的に引き受けるのは自分自身になります。
だからこそ、
誰かが代わりに決めた選択では、
本当の意味で責任を持つことができません。
他人の正解に従って選んだ道であれば、
迷いや違和感が生まれたとき、
どうしても「自分で選んだ」という実感が薄れてしまいます。
私は、その状態で前に進むことは、
長い目で見るととても苦しいと思っています。
だから私は、決断を代わらない
この前提があるからこそ、
私は決断を代わりにすることはしません。
「これを選べば間違いないですよ」
「この方向で行きましょう」
そう言い切ってしまう方が、
一時的には楽かもしれません。
相談する側にとっても、
考える負担が減り、
安心感は得られるでしょう。
でもその安心は、
自分で選んだという実感と引き換えです。
私は、
その人が後から迷ったり、
立ち止まったりしたときに、
「それでも自分で選んだ」と言える状態を大切にしたい。
だから、
背中を押し切ることはしません。
正解を渡す立場にも立ちません。
選択は、あくまで本人のもの。
私はその前提を、
仕事の最初から最後まで崩さないようにしています。
私が引き受けないこと(仕事の線引き)
ここまで読んで、
「納得を大事にする」「決断を代わらない」という考え方には
共感できたとしても、
まだ少し不安が残っているかもしれません。
- じゃあ、どこまでやってくれるのか
- 何を期待してはいけないのか
ここでは、その点をはっきりさせておきます。
これは冷たさの表明ではなく、
安心して判断してもらうための線引きです。
結果や成果を保証しない
私は、結果や成果を保証することはしません。
売上がいくらになるか。
事業が必ずうまくいくか。
人生が思い通りに進むか。
ビジネスや人生に、
絶対はありません。
どれだけ丁寧に考え、設計したとしても、
環境や状況、本人の選択によって結果は変わります。
だから私は、
成果を約束する立場には立ちません。
結果を請け負う仕事はしていない、ということです。
ただしこれは、
「関わらない」「責任を持たない」という意味ではありません。
その点については、後でしっかり書きます。
決断の責任を肩代わりしない
もう一つ、はっきりさせておきたいことがあります。
私は、
人生や仕事における決断の責任を肩代わりしません。
どの道を選ぶか。
何を優先するか。
どこで覚悟を決めるか。
それらはすべて、
本人にしか引き受けられないものです。
私が代わりに決めてしまえば、
その瞬間は楽になるかもしれません。
でも後になって迷いや違和感が生まれたとき、
「自分で選んだ」と言えなくなってしまいます。
私は、
その状態をつくりたくありません。
依存させる関係はつくらない
私は、
判断を預け続ける関係をつくりません。
「次はどうしたらいいですか」
「これは合っていますか」
そうやって毎回確認しないと動けない状態は、
長い目で見ると、その人の力を弱めてしまいます。
相談を重ねるほど、
自分で考えられなくなる支援は、
本質的ではないと思っています。
だから私は、
依存を前提にした関わり方はしません。
その代わり、
自分で考え、自分で選べるようになることを
最終的なゴールに置いています。
それでも、私が責任を持つこと
ここまで読んで、
「引き受けないこと」は分かったけれど、
「じゃあ、何をしてくれるのか」が
まだ少し曖昧に感じているかもしれません。
ここからは、
私がはっきりと責任を持つことについて書きます。
結果を保証しない。
決断を代わらない。
依存させない。
その前提のうえで、
それでも私は、
かなり深いところまで一緒に考えます。
納得できるまで、一緒に考える
私が一番大切にしているのは、
「本人が納得しているかどうか」です。
そして正直に言うと、
本人だけでなく、私自身も納得できているかを重視しています。
違和感が残ったまま、
「まあ、これで行きましょう」とは言いません。
どこか引っかかる点があれば、
立ち止まって、もう一度考え直します。
遠回りに見えるかもしれません。
時間がかかることもあります。
でも、
納得しないまま進んだ選択は、
後で必ず足が止まります。
だから私は、
納得できるところまで、
考えることから逃げません。
一貫性のある設計を整える
行動が続かない原因は、
本人の意志の弱さではないことがほとんどです。
多くの場合、
設計がバラバラになっています。
- やりたいことと現実が噛み合っていない
- 価値観と行動がズレている
- 目の前の手段だけが先行している
こうした状態では、
どれだけ頑張っても消耗します。
私は、
点でのアドバイスではなく、
全体を見渡した設計を整えることに
責任を持ちたいと思っています。
一貫性のある設計があれば、
行動は自然と続きやすくなります。
判断材料と選択肢を増やす
「決められない」という状態は、
優柔不断だからではありません。
多くの場合、
判断材料が足りていないだけです。
情報が不足していれば、
決断できないのは当然です。
不安が強いなら、
選択肢が少なすぎる可能性もあります。
そんなときは、
無理に決めさせるのではなく、
材料を増やす。
選択肢を広げる。
それが、私のやり方です。
事実と本音は、きちんと伝える
不安を煽ることはしません。
でも、
都合の悪い事実を隠すこともしません。
期待だけを膨らませるのは、
誠実ではないと思っています。
うまくいかない可能性があるなら、
その理由も含めて伝える。
覚悟が必要な選択なら、
その重さも正直に話す。
そのうえで、
どうするかを決めるのは本人です。
私は、
判断に必要な情報を
きちんと渡す立場でありたいと思っています。
持続可能性を重視する理由
気合や根性に頼らない
短期間で結果を出すこと自体を、
私は否定しているわけではありません。
ただ、
気合や根性だけで乗り切るやり方は、
長くは続かないことが多いと感じています。
一時的に無理をすれば、
数字や成果は出るかもしれません。
でもその代償として、
疲れ切ってしまったり、
途中で手を止めざるを得なくなったりする。
特に真面目な人ほど、
「頑張れば何とかなる」と思って、
限界まで自分を使ってしまいがちです。
私は、
そうした消耗を前提にしたやり方を
続けたいとは思いません。
時間はかかっても、
無理なく続けられる形。
長期的に成果が出やすい設計を、
最初から考えておくことが大切だと考えています。
変化を具体的にイメージしてもらう
選択をするうえで、
「この先どうなるのか」が見えない状態は、
大きな不安になります。
だから私は、
選択によって起こり得る変化を、
できるだけ具体的にイメージしてもらうようにしています。
- 何が変わりそうか
- どこが楽になりそうか
- 逆に、どんな負荷が増えそうか
良い面だけでなく、
現実的な側面も含めて考える。
そうすることで、
「思っていたのと違った」というズレを
できるだけ減らすことができます。
見通しが立てば、
人は落ち着いて判断できます。
全体像が見えれば、
真面目な人ほど、
腹をくくって前に進めるようになります。
このスタンスが合う人・合わない人
ここまで読んで、
「考え方としては理解できるけれど、
自分に合っているかどうか」は、
まだ判断しきれていないかもしれません。
ここでは、
このスタンスが合う人/合わない人を
あらかじめ整理しておきます。
どちらが良い・悪いという話ではありません。
ただ、合わない場合は、
無理に関わらない方がいいと思っています。
合う人
このスタンスが合いやすいのは、
次のような人です。
- 全体像が見えないと動けない人
- 見通しが立たないまま決断するのが苦手な人
- 自分なりに考えてきたけれど、どこかで行き詰まっている人
- 正解をなぞるより、納得して選びたい人
- 時間がかかっても、ブレずに進みたい人
特に、
真面目に勉強し、真面目に考えてきた人ほど、
「考えることを一緒にやる」関わり方が
合いやすいと感じています。
私は、
全体像が見えなければ動けないタイプです。
見通しが立たなければ、
覚悟を決めることもできません。
同じ感覚を持っている人なら、
無理なく話ができると思っています。
合わない人
一方で、
次のような人には向いていません。
- 正解や答えをそのまま欲しい人
- 最短ルートや即効性を強く求める人
- 結果や成功を保証してほしい人
- 決断そのものを任せたい人
こうしたニーズを否定するつもりはありません。
そういう関わり方が合う場面や相手も、
確かに存在します。
ただ、
私のやり方とは合わない、
それだけのことです。
合わないまま関わっても、
お互いに苦しくなるだけだと思っています。
それでも、選ぶのはあなたです
ここまで、
私がどんな前提で仕事をしているのか、
どこまで関わり、どこから先は引き受けないのか、
かなり正直に書いてきました。
読んでみて、
「合いそうだ」と感じた人もいれば、
「自分には合わないかもしれない」と感じた人もいると思います。
どちらでも構いません。
このスタンスは、
できるだけ多くの人に合わせるためのものではなく、
無理なく、長く関われる関係をつくるためのものだからです。
任せない選択も、尊重しています
この記事を読んで、
「相談しない」という選択をするのも、
立派な決断だと思っています。
- 今は一人で考えたい
- 別のやり方を試したい
- まだタイミングではない
そう感じたなら、
その感覚を大切にしてほしい。
自分の人生をどう進めるかは、
やはり自分で決めるものだからです。
選択はあなたが、設計は一緒に
もし、
一人で考えるには少し視野が狭くなってきたと感じたとき。
違和感はあるけれど、言葉にできないとき。
納得したうえで前に進みたいと思ったとき。
そのタイミングで、
「一緒に考える」という関わり方が
選択肢の一つになれば、それで十分です。
選択は、あなたがする。
私は、その選択が納得のいくものになるよう、
設計を一緒に考える。
それが、
私の仕事の線引きです。
次に読むなら
「じゃあ、実際にどうやって考えればいいのか」
「納得して前に進むための視点を、もう少し知りたい」
もしそう感じたなら、
次の記事では、
考え方を行動につなげていくための視点を
もう少し具体的に整理しています。
焦らなくていい。
でも、立ち止まったままでいる必要もない。
納得して進むための材料として、
必要なところだけ拾ってもらえたら嬉しいです。
ここまで読んで、
「この距離感なら大丈夫かも」
そう感じてもらえたなら。
次は、
一人で考え続けなくていい、という選択
について書いています。

