マーケティングを学んでいるとよくペルソナという言葉を耳にすると思います。
私も今学んでいるももクエでペルソナについて深く考えていました。
そこで講師から指摘されたのが、ペルソナでは甘いということです。
もっと顧客の解像度を上げて考えなければ、有効なマーケティングはできないのです。
というのも一般的なペルソナだけでは、実際の商品サービスとして顧客のニーズを満たせるイメージがつかないからです。
それでは有効なプロモーション施策を考え出すことができません。
今回はペルソナの効果的な設定方法について詳しく考えてきます。
ペルソナとは?
最初にペルソナという言葉についておさらいしておきます。
マーケティングにおける「ペルソナ」とは、ターゲット顧客を表現した架空のキャラクターのことを指します。
これは製品やサービスを購入しそうな理想的な顧客を具体的に描写するために用いられます。
ペルソナを作成することにより、マーケティング戦略やキャンペーンの計画をより効果的に行うことができます。
ペルソナの構成要素
ペルソナを作成する際には、以下のような要素を考慮に入れます。
- 基本情報:名前、年齢、性別、職業、住んでいる地域など。
- 背景:学歴、キャリアパス、家族構成など。
- 心理的特徴:性格、価値観、好み、趣味など。
- 行動パターン:インターネットの使用習慣、購買行動、メディアの利用状況など。
- ニーズと課題:顧客が抱える問題点や求めている解決策。
これらの情報をもとに、マーケティングチームはターゲット顧客に合わせた広告やプロモーションを設計し、よりパーソナライズされたコミュニケーションを行うことが可能になります。
ペルソナは市場調査や既存の顧客データから得られる情報に基づいて作成され、時にはインタビューやアンケートを通じて更に詳細を加えることもあります。
ここまでが一般的な情報です。
一見これだけでもターゲット設定としては十分な気がします。
ですが実際にはこれだけでは不足しているのです。
ペルソナ設定の何が問題なのか。
それは自分にとって都合の良い顧客像を勝手に作り上げてしまうことです。
分人主義の考え方
そこで講師から紹介されたのが、分人主義という考え方です。
一言で言えば「本当の自分」なんて存在しないと言うことです。
人は社会的な生き物です。
周りの環境や関わる人によって、その個性も態度も変えることができるからです。
そうすると誰かといる時の自分と、別の誰かといる時の自分が全く別人のように思えてしまうことがあるでしょう。
今までの考え方では、本当の自分という一つの個人があって、社会的な環境に応じて自分を変えていると考えられてきました。
ですが実際に本当の自分なんて存在するのでしょうか。
私の場合、学校の先生をしている時の私も、コンサルティングを提供している時の私も、全て自分の一部だと考えてきました。
もともとペルソナという言葉は仮面という意味で、人は本当の自分に仮面をつけてその場に応じているという考え方が根底にあります。
ですが実際にはそんなことはなく、様々な状況に合わせた自分がいて、その全てが本当の自分なのだと考えた方がしっくり来るのではないでしょうか。
このことを「分人」と表現し、人は複数の自分を持っていると考えるのが分人主義です。
平野啓一郎さんの著書『私とは何か』で詳しく述べられています。
分人主義におけるペルソナの設定方法
分人主義においては、単なる個人ではなく、その具体的なシーンによってどんな特徴が見られるかを考える必要があります。
そのために必要なのは一人ひとりを深掘りした徹底的なインタビューです。
以下の記事が非常に参考になりますので興味のある方は是非ご覧ください。
なぜここまでユーザー視点が重要なのか。
それは市場の見定めがスタートアップにおいては大きな敗因になり得るからです。
以下の記事でも示されている通り、スタートアップの大半は市場がない商品サービスで事業を始めてしまうことが撤退の原因となっています。
事業を始めるのに市場が存在しない?
そんなことある訳ないと思われますが、実際にそうなのだから要注意です。
私もマーケティングを支援する立場として、どんな市場に価値提供するのかを明確にすることが非常に重要だと痛感しています。
素晴らしい商品サービスでも市場を間違うと全く売れないという最悪の状況が生まれてしまいます。
マーケティングを学ぶと、様々な成功事例がわかりやすく解説されていますが、そこに大きな落とし穴があります。
それは成功事例のわかりやすい説明では、その過程で試行錯誤したプロセスが見えないからです。
このことを説明した良い記事があったのでどういうことか気になった方は是非ご覧ください。
https://note.com/4bata/n/n0a44276a0ef1
この記事を読むと、自分がいかにわかった気になっているかを実感します。
成功事例は結論を理解するには良いですが、そのためにどれだけの苦労をして工夫を凝らして成功にこぎ着けたかはなかなか見えてきません。
それで安直にこうすれば上手くいくと考えるのは全くのお門違いなのです。
ももクエの講師の方からも「できることは全部する」くらいの気持ちでペルソナを考えるようにと念を押されました。
マーケティングとは簡単に集客できる手軽な方法ではなく、地道な努力によって生み出される積み上げられた仕組みなのだと是非多くの起業志望の方に知っておいていただきたいです。
この積み上げられた努力の結晶がマーケティングだとわかりやすく解説している記事がありましたので紹介します。
https://logmi.jp/business/articles/325324
まとめ
ペルソナという考え方だけでは顧客の解像度が不十分だとご理解いただけたかと思います。
これから起業したい方や、集客に悩んでいる方は是非「分人主義」という観点で顧客像を考えてみてください。
顧客の解像度が上がれば上がるほど、より効果的なプロモーション戦略を考え出すことができるようになります。
それは集客や営業に無駄なコストを費やすリスクを抑え、あなたのビジネスを加速する一助となることでしょう。
分人主義についてはこちらの書籍を参考にしてください。
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