独立開業は人生の大きなターニングポイントです。
ですが一度しか経験しないことなので何をすべきかわかりにくいと思います。
起業するには様々な手続きが必要になります。
不安や懸念なく独立できるように、事前事後にしておくべきことを解説します。
① 会社を辞める前にやっておくべきこと
会社を辞める前には起業への思いでやるべきことを忘れがちです。
ここでしっかりとチェックして必要な準備を把握しておきましょう。
退職届の提出
退職の意思が固まったら、会社に相談して退職届を提出します。
退職の話をすると引き留めを受ける場合もあるので、提出は退職が確定してからにしましょう。
また、退職届は一般的に退職の1カ月以上前に提出するのがマナーです。
仕事の引継ぎや欠員の採用など会社側にもやるべきことがあるからです。
クレジットカードの作成
会社を辞めるとローンの審査が通りにくくなります。
安定した収入のある会社員と違って社会的信用が低いからです。
独立を考えた段階で複数のクレジットカードを作っておくのがおススメです。
事業用の口座を別で持つという意味もありますし、万が一資金繰りが苦しくなった際にキャッシングができると安心ですよね。
会計ソフトの導入
事業が始まると経理の仕事が必ず発生します。
会社を辞めてからでも大丈夫ですが、事業が始まるとやることが多いです。
できれば余裕のある退職前に、会計ソフトを導入して使い方に慣れておくのをおススメします。
当面の生活費の貯蓄
独立開業してもすぐに売り上げや利益が得られるとは限りません。
収入がしばらくの間はなくても生活できるだけの資金が必要です。
少なくとも概ね給料3か月分は貯蓄しておくことをおススメします。
② 会社を辞めた後に必ずすべきこと
会社を辞めていざ独立と思っても、意外とやっておくべきことは多いです。
起業して意気揚々と自分の事業を始めると思わぬ落とし穴に落ちてしまうのです。
まずは以下の項目を確認しておきましょう。
国民年金への切り替え
会社員の間は厚生年金に加入している場合がほとんどで、年金は給与天引きされます。
ですが会社を辞めると年金も自分で支払う必要があります。
国民年金の手続きは会社を辞めてから14日以内に行う必要があるので、忘れずに手続きをしましょう。
なお手続きの際には年金手帳が必要になります。
会社に預けている場合もあると思うので、所在を把握しておきましょう。
国民健康保険への切り替え
年金と同様に、健康保険も会社員の場合は給与天引きされています。
独立すると自分で支払う必要があるので手続きをしましょう。
こちらも退職から14日以内に手続きをする必要があります。
また退職から届け出までの間にかかった医療費は自己負担になります。
持病があって定期的に病院に通っている方は注意してください。
開業届を提出する
事業を開始してから1カ月以内に、税務署に開業届を提出する必要があります。
提出しなくても罰則はありませんが、以下のようなメリットがあります。
・青色申告ができる
・屋号で銀行口座を作れる
青色申告承認申請書を提出する
独立開業すると、毎年確定申告をする必要があります。
確定申告には青色申告と白色申告がありますが、節税効果のある青色申告がおススメです。
青色申告をするには、青色申告承認申請書を提出する必要があります。
提出すると最大65万円の所得控除や赤字の繰り越しが可能になります。
③ 独立起業前後を通してやるべきこと
起業準備には様々なやるべきことがあります。
その中でも特に優先度の高いものを紹介します。
ビジネスプランの作成
事業を始めるには入念な準備が必要です。
ビジネスプランとは、どんな事業を行うのかを具体的にした計画書です。
実績がない創業期は起業への思いや将来のイメージが重要になります。
どのくらいの経費がかかり、どのくらいの利益が見込めるのか、よく考えておきましょう。
金融機関からの融資を検討している場合には、特にこのビジネスプランが判断材料になります。
様々な専門家からのアドバイスももらいながら勝算のあるビジネスを検討してください。
またビジネスプランは一度作成するだけではなく、時代の変化に合わせて見直していく必要があります。
起業しても上手くいかない要因は市場ニーズがなかったというのが大きいです。
競合他社の調査や、市場が魅力的かどうかは常に考え直していかなければ、事業は継続できません。
専門性の強化
ビジネスをしていく中で自分の強みや専門性が発揮できる分野で起業する人がほとんどだと思います。
最初から多くの経験値を持っている方もいるかも知れませんが、それでも勉強は必要です。
時代の変化と共に世の中のニーズや環境は大きく変わっていくからです。
最近だとAIを活用した業務の効率化やRPAによる自動化などが当たり前になってきています。
また動画を使ったマーケティングやオンラインで完結するビジネスも増えてきています。
こういった世の中の変化を敏感に察知し、自身の専門性が発揮できるように自分を成長させていくことが重要です。
資金繰りの安定
起業して常に気になるのがお金のことだと思います。
売上と経費だけを記録していても確定申告で使えるだけです。
ビジネスにおいて重要なのは、キャッシュフローを安定させることです。
入ってくるお金と、出ていくお金のバランスが取れた状態にする必要があるのです。
起業したばかりの頃はなかなか事業が安定せず、資金繰りが苦しくなるかも知れません。
そういう時には金融機関から運転資金の融資を受けることも検討してみてください。
また補助金の活用も視野に入れると良いでしょう。
公的な相談機関も複数あるので、専門家に相談してみるのが手っ取り早いです。
安心して独立起業するために
今回は起業前後にしておくべきことを解説しました。
これから起業するという方や、将来起業したいと考えている方は是非参考にしてください。
起業は人生の大きなターニングポイントです。
自分で人生を切り開いていく大事なタイミングでつまづかないように、しっかりと準備をしましょう。
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